多くの嘘に少しの真実

おもしろい映画、小説は総じて多くの嘘に少しの真実が含まれたものである、といわれる。多くの嘘(想像妄想の世界)の中に少しの真実(だれでもわかること、経験すること、数学的に証明されたこと)を混ぜ込むことで嘘に真実らしさが出るということなのだが、そもそも「嘘と真実」が混在しないモノなど世の中に存在するのだろうか?というつっこみは当然入る。
モノづくりは科学と技術から始まるのだから、モノづくりに嘘はない。科学と技術のような合理的な世界では因果応報、嘘をついた後からしっぺ返しがくるので嘘は淘汰される。だからモノづくりをビジネスにする企業は真実をもってそれに取り組まなければならない。嘘があるモノづくりをすれば、それがほんのわずかだとしても、その他の真実を嘘に変えてしまうことになるのだ。
しかしながらモノづくりと逆転の発想が必要だ必要なこともまたビジネスである。ユーザーについてよい嘘をつくことも、顧客価値なのだ。モノづくりの領域として基本機能をしっかり作りこむ、この真実の集積を核にその周辺機能に嘘を広げることをしっかりやるということが大事だろう。「良いものを作るだけでは売れない」とはよく言ったもの。最近目立っている企業はビジネスを戦略的にやっている。googleしかりappleしかり。モノづくりのプロセスだけでなく、嘘をつくプロセス、そんなものが我々には何気に足りていないのだろうな。