まつりのあとで

一億円で購入した住宅を、一億五千万円で転売できた時代が過ぎ去ったように、二千億円で売却するために、もしくは自社の株価をあげるために、大企業が一千億円でベンチャー企業を買収した時代も、もうこない(少なくとも、しばらくの間は)のだと思う。
起業のための経済的なモチベーション(大金持ちになれるというドリームと、投資家にペイしなければならないストレス両方)が低下した暁には、やはり、個人の志、こうあるべき、こうありたいということが、最大のモチベーションになるのだろうか。
しかし、散々、信頼を得るための道具にされてきた「志」なるものが、人々に愛されるようになるには、これまた時間のかかることだとも思う。
こうなると、もう理屈や能力だけでは説得しきれない時代がきたのかもなぁと。なんというか、「地味だけど突き抜けててすげぇ」っていう日本人古来の美的感覚で人をひきつける、そういうモノや人材が評価されるような気風を感じているのであります。